こまどり旦那様

働き者の夫について思うことを気の向くまま

旦那様、テレビのない頃が愛しいのです

彼氏の部屋にはテレビもコンポもパソコンもなかった。あるのは、毛の長い絨毯と本棚、チープなローテーブルとボンネットベットマットとテンピュール枕、埃をかぶったギター、プラズマクラスターターンテーブル式電子レンジ、100リットルくらいの冷蔵庫。部屋はひっそり静かだった。iPhoneから音楽を流したり、TSUTAYAで借りた映画を小さなDVDプレーヤーで見たり、あほのように飲んだエビスの空き缶を積み上げり。彼氏は夫になり互いに馴染んだ。今は大きなテレビを点けている。朝も食事時も風呂上がりもテレビが部屋を騒がしくしている。時々、テレビのない部屋を思い出す。お互いが1番の喜びだったあの部屋に戻りたくなる。旦那様、テレビを消してわたしとオールフリーでも飲みながらお話ししませんか。どうでしょ。おわり。